書評は久しぶりだけど、本はしっかり読んでたぞ。
さて、松本清張の『ゼロの焦点』<新潮文庫>を読んだ。
これは読むのが大変だった。
古い小説だからか、読み始めて飽きてしまってしばらく放ったらかしてたんだけど、
文体に慣れたらハマるのは早かった。
では何が大変だったのかというと、頭を使う小説だったから。
時代は戦後十数年ばかり過ぎた頃、板根禎子は鵜原憲一と結婚した。
しかし憲一は結婚後すぐの金沢出張を最後に失踪。禎子は彼を追って金沢へ向かう。
禎子は様々な方法で憲一を探すが、真相に近づくにつれて関係者が次々に謎の死を遂げる…。
内容が濃い。さすが松本清張、人間がよく描かれてると思う。
登場人物の心理描写が深くて、難しい。
そりゃもう、三浦綾子の『氷点』を思い出すくらいに。何ページにもわたって。
さらに読者巻き込み型の推理サスペンス物だから、頭使う!
でもおもしろかったなぁ。読みながら、自分が禎子になった気分。
ただ、「戦後」という歴史背景が事件の鍵になってくるから、その時代の知識がないと、
事件の悲惨さ、時代の残酷さを理解するのは難しいかも。
かくいう私も単語の意味がわからなかったり、状況が想像できなかったりした部分があった。
ゼロの焦点
著者名:松本清張(著)
出版社:新潮社
出版年:1971.02
ISBN :9784101109169

